アデノイドって何?
こんな症状ありませんか?
咽頭(のど)は、空気の通り道と、食物の通り道が交わるところです。咽頭には外から入ってきた異物や、細菌、ウイルスなどをそこでくい止めて、体の中に入ってこないようにするリンパ組織がたくさん分布しています。このリンパ組織を扁桃といい、大切な免疫組織なのです。
各扁桃は、咽頭の周囲をぐるりと輪のように点在していることから、医学的には「ワルダイエル咽頭輪」(図)と呼ばれています。
一般に、「扁桃腺が腫れる」という扁桃は、「口蓋扁桃」といい、のどちんこの両脇にあります。舌のつけ根には「舌(根)扁桃」があり、耳管が鼻咽腔に開いている部分には「耳管扁桃」があり、鼻の奥の突き当たり、のどの上のあたりの空気の通り道が狭くなるところにあるのが 「咽頭扁桃」で、これが肥大したものを「腺様増殖産」といい、アデノイドと言い表しています。
「咽頭扁桃」が一番大きくなるのは、五、六歳くらいで、アデノイドによる障害は、その年頃が最も多くみられます。
症状としては、風邪をひいた時、鼻水がたまったり、鼻のなかの粘膜が膨らんで鼻がつまるとアデノイドも一緒に大きくなって口で呼吸をするようになるため、いつもポカンと口を開けた「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔つきになります。
また、アデノイド肥大では、鼻汁がたまりやすく、耳管の開口部を圧迫して、中耳にたまった液を排泄しにくくするため、急性中耳炎や滲出性中耳炎を引きおこしやすくなります。
治療ですが、鼻水をきれいに取り去り、ネブライザーで腫れたアデノイドに直接薬を噴霧吸入したりしてゆきます。
抗生物質の服用をしつづけても効果がなく炎症を繰り返す場合や、呼吸障害や嚥下障害、睡眠障害をおこしているとき、中耳炎のなおりが悪く慢性化する場合などは切除術が必要になってきます。手術は、入院して全身麻酔で行なわれます。