お年寄りの「きこえ」と聴力検査表の見方
お年寄りの「きこえ」と聴力検査表の見方
お年寄りの難聴には、感音性難聴と伝音性難聴があります。
図をみていただくとわかるように、音の伝達される経路には、外耳道・鼓膜・中耳までの伝音系と、奥の内耳・聴神経・脳の感音系があります。この感音系の働きが悪くなるのを感音性難聴といいます。
老化現象で徐々に「きこえ」が悪くなりますが、中には永年の騒音下の仕事が原因となる方もいます。
難聴は30代から始まっている
それでは、いつ頃からこの老化が始まるかというと、30代から聴力の低下は始まっているようです。だだし、難聴の進行がゆっくりであるため、ほとんどの人が自分が難聴であることに気づきにくく、家族からテレビの音が大きくなったんじゃないのと言われて、はて、耳が遠くなってきたかなと思う程度で、耳鼻科へ行って検査を受けてみようという気にはなかなかなれない方が多いようです。一度聴力検査を受けることをお勧めします。
聴力検査の方法
聴力検査はオージオメーターを用い、気導受話器を耳に密着し、音を認識させ、オージオグラムという表に記入するものてす。グラフには縦軸に音の大きさをマイナス20から120までdb(デシベル)という単位で表示し、横軸には低い音から高い音へと周波数をHz(ヘルツ)という単位で、125から8000まで7種類の音の高さで表示します。
図2は日常会話の音声の範囲を表示したものです。500Hzから2000Hzまでの音の高さが、主要言語周波帯域といって「きこえ」の重要な部分ですが、この範囲の音が30dbをこえるようになると、小声で話されると聞き取りづらくなってきます。内耳が支障をきたすようになりますと、音は聞こえても言葉がわかりづらく、何度も聞き返すのがいやになり、周囲から孤立してしまうことにもなりかねません。
難聴は治らないとあきらめずに、治療によって回復する場合もありますので、専門医による診断をお勧めします。また、回復しない場合は補聴器も進歩していますので、ご相談下さい。