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滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

お返事が遅い子は要注意です

耳の構造

 まず耳の構造について説明します。糸電話にたとえると、障子紙が鼓膜で、筒が空気の部屋になっています。空気の部屋が細い管で鼻の奥につながっています。そこを中耳腔といいます。その空洞の中に粘液が染み出てくる病気があります。それが滲出性中耳炎です。

 特に小学校に入学する前のお子さんに多いです。赤ちゃんとか、幼稚園のお子さんが、耳をよくいじるとか、返事が遅いとか、後ろから呼んでも全然わからない、テレビの音を大きくするとか、そういう症状がありましたら、お子さんの様子をそれとなくチェックしてください。そして、変かなと思ったらこの病気を考えていただければよいと思います。

 どんな子どもがこの病気にかかりやすいのかというと、蓄膿症やアレルギー鼻炎などでいつも鼻をすすっているとか、いびきが大きいとか、口をポカッと開けているなどのお子さんです。ただ、そういう症状のないお子さんでも、耳の中にたまってくる癖があるお子さんもいます。ですから、こういうお子さんがなりやすいという断定は難しいです。
 また、普段から鼻が弱いとか、風邪をひきやすいとか、今までに中耳炎をやっているお子さんなどは、なんの症状がなくとも、この病気にかかっていることがありますので注意していただいたほうがよいでしょう。

たいていは小学校へ行く頃には治ります


 たまった液は自分の力で排出しない限り、ずっとたまっています。そしてどんどん中で作られてしまいます。ちょうど、風邪をひくと鼻水がダラダラと出て化膿すると膿っぽくなりますが、同じような状態が耳の空洞の中で起こっていると考えてください。その癖をとらない限り、なかなか治療しても治りません。根本的に膿が出ないように治すのが一番よいです。

 根本的に治すためには、鼓膜の部分を切開して、いつでも空気が出入りできるようにチューブでちいさな窓を開けっぱなしにしてあげることです。
 ただ、チューブを入れるには鼓膜を切らなければいけないので、赤ちゃんから幼稚園児のような小さいお子さんの場合、いきなりそういう治療をするのは難しいです。子どもさんの年齢とか性格など、すこし様子をみながら、最終的にそういう方法をとらざるを得ない場合だけやるということです。
 年齢からいうと、ほとんどの子どもは小学校に上がる前後で耳が大人のように強くなります。それまでに鼓膜に後遺症が残るような症状については治療が必要です。例えば、糸電話の障子紙がどんどん薄くなるようなことや、内側に吸いこまれて固まってしまったりする状態などです。そういう症状にならなければ、小学校へ上がるころには大体の子どもが治ってきます。

 鼻の真後ろにアデノイドという扁桃組織がありますが、それが非常に大きくて治りにくい場合もあります。この場合にはアデノイドをとってあげる手術を行う必要も出てきます。
 チューブを入れる手術は外来で行えますが、アデノイドをとる手術は全身麻酔をかけることもありますので、ちょっと開業医のレベルでは難しいと思います。

鼻をかむときには片一方ずつ

 一度なった方は中耳炎になりやすいということですので、鼻がおかしいときとか、風邪をひいたときなどは、かならず耳鼻科で鼓膜の状態を確認してもらってください。小学校高学年になればまず問題ないと思います。
 なったことがない人でも、風邪などは早めに治し、鼻やのどの調子が悪いときはお医者さんへ行ってください。
 また最近のお子さんは鼻が上手くかめないようです。両方いっぺんにかんでしまったり、鼻をすすることが耳に悪いので、中耳炎になりやすい状態にしてしまいます。ですから鼻をかむトレーニングをしてあげるということが必要だと思います。片方ずつ静かにかむことを根気よくお母さんやお父さんが教えてあげることです。
 鼻の状態がかなり耳に影響しますので、耳の中は鼻の親戚と考えていただければよいと思います。

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